地方独立行政法人大阪産業技術研究所 - 当法人は、(地独)大阪府立産業技術総合研究所と(地独)大阪市立工業研究所が統合し、平成29年4月1日にスタートしました。研究開発から製造まで、企業の開発ステージに応じた支援を一気通貫で提供し、大阪産業の更なる飛躍に向け、大阪発のイノベーションを創出します。

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表面技術協会 論文賞

      
受賞者 中出 卓男
授与者 一般社団法人表面技術協会
受賞日 平成31年2月27日
受賞対象テーマ 電気Ni-P合金めっき皮膜の電着応力

概要


電気Ni-P合金めっきは、P含有量が高くなると非晶質化し、結晶粒界がなく均一になることから、精密微細加工用材料として用いられている。それらの用途で、めっき被膜を活用するには、数百㎛~数㎜オーダの厚付けが要求され、皮膜の内部応力が問題となる。内部応力は、皮膜の厚み、浴組成、添加剤、温度、電流密度、かく拌、素地の種類などの影響を受け、さらに皮膜の合金組成や不純物の共析にも依存している。本論文では、電気Ni-P合金めっきの際に生じる応用に及ぼすめっき条件の影響を系統的に調査するとともに、その要因として合金めっき皮膜への水素共析に注目して検討している。電気Ni-P合金めっきにおける応力発生が、水素の一時的な共析と脱離に関係すると考えており、引張応力は積層時に共析した水素が電極表面へ拡散して脱離することで生じ、一方、圧縮応力はp含有量が増加するにより非晶質化によって共析した水素が電極表面に拡散が阻害されトラップされることによって生じると推定しており、めっきの応力発生機構の推定として学術および実用化の両面に対して大きく寄与した。


      

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